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飛行機で使う単位

グラウンドスクール

私たちの日常生活では、ほとんどの人がメートルやキログラム、リットルという“SI単位系”の単位を使っているかと思いますが、航空業界ではSI単位系と他の色々な単位を混合して使うことが多いです。

Table of Contents

長さ

日常生活で長さを表すときは、どんな場合も原則として“メートル”を使用しますが、航空業界では

  • 高さ:フィート(ft)
  • 物体の長さ:インチ(in)、またはフィート(ft)
  • 距離:ノーティカル・マイル(NM)

といった感じで、3つの単位を使い分けます。

フィート(ft)

フィートというのはその名の通り、足(foot)の大きさに由来する単位です。

日本ではあまりなじみが無い、というか世界的に見てもアメリカでしか使われることがないような単位ですが、航空業界では高さや長さを表現する際に用いられることが多く、特に飛行高度はフィートを使って表すことが一般的。

また、飛行機や滑走路の寸法もフィートを使って表すことが多いです。

メートルとの関係は

  • 1ft = 0.3048m
  • 1m = 3.28084ft

ここから概算として“1ft = 0.3m”、“1m = 3ft”と覚えている人が多いですね。

ちなみに、日本に古くからある“尺”との関係は

  • 1尺 = 0.99419ft

とほぼ同じ長さになっています。

インチ(in)

日常生活では、テレビやスマホのモニターのサイズ、または自転車のタイヤのサイズくらいでしか見かけることのない単位ですが、航空業界では部品の寸法や、シートピッチなどで使うほか、圧力を“ポンド ‐ 平方インチ(psi)”で表したり、気圧を“水銀柱インチ(inHg)”で表したりと、色々な所で使用します。

メートルとの関係は

  • 1in =0.0245m (24.5mm)
  • 1m = 39,37008in

となっていますが、不思議とインチをメートルに換算することはあっても、その逆はあまりないような?

フィートとの関係は

  • 1in = 0.083333ft
  • 1ft = 12in

となっていて、こちらは“1in = 1/12ft”と覚えている人が多いのでは?

ちなみに、飛行機(特にアメリカ製)に使うボルトやナットのサイズは1/64inを最小値とした分数で、パッキンやガスケットの厚さ、Oリングの径は小数で表現することが多いです。

ノーティカル・マイル(NM)

こちらは飛行距離を表すときに使用される単位で、もともとは船舶で使用されていた単位になります。

“海里”という表現の方が耳慣れているかもしれませんね。

メートルとの関係は

  • 1NM = 1,852m (1.852km)
  • 1m ≒ 0.00054NM 
    (※1km ≒ 0.54NM )

となっています。

なぜ航空業界ではSI単位系の距離の単位である“㎞”ではなく“NM”を使うのかというと、1NMは、地球上の緯度1分(1度の60分の1)に相当する長さだから。

現在位置と目的地の緯度と経度が分かれば、地図を広げることなく、計算だけでだいたいの距離を算出することが出来ます。

ちなみに、航空会社の行っている“マイレージサービス”の「マイル」というのは、ノーティカル・マイルではなく国際マイル(= 1609.344 m)という別の単位を使っているそうです。

速度

国産クルマやバイクなどでは“km/h”、一部の輸入車では“mph”を使うことが多いですが、飛行機の場合はごく一部の国で生産されたものを除いて、一般的には“ノット”という単位を使用します。

ノット(kn、kt)

1ノットは1時間に1NM (1852 m) 進んだ場合の速さを表す単位。

単位は、日本国内では計量法で“kt”と定められていますが、国際的には“kn”と表記するのが一般的なんだそうで。

キロメートル毎時(km/h)との関係は

  • 1kt = 1.852 km/h
  • 1km/h ≒ 0.53996 kt

となっています。

元々は船舶の速度を表すために用いられていた単位ですが、ノーティカル・マイルと同じく航法上の利便性のため、航空業界でも使用されています。

マッハ数(Mach number)

ジェット戦闘機の最高速度や、ジェット旅客機の巡航速度を表現するのによく使われるのが“マッハ”という単位。

“マッハ1 = 1,200km/h (≒ 650kt)”

なんて言われたりしますが、マッハ数というのは「ある空間を伝わる音の伝達速度との比率」を表す値なので、単位時間あたりに進んだ距離を表す単位と比較するのは正しくはありません。

実際のところは、飛行高度によってマッハ1となる速度は異なり

  • 高度0ft(気温15℃、1気圧(1050hpa)の理想大気条件) ≒ 1,224 km/h, 661.5kt
  • 高度11,000m(36,000ft)以上 ≒ 1,062km/h、573kt

といった具合に、飛行高度が高くなるほど速度が低下していきます。

重さ

飛行機を飛ばすうえで重量というのは非常に重要な要素です。

重量が変われば飛行機を飛ばすために必要となる揚力が変わるので、離陸速度や巡航速度が変わってきますし、巡航速度が変われば必要になる燃料も変わってきます。

また、貨物や燃料の搭載量が変われば、飛行機の重心位置も変化します。

航空業界では伝統的にポンド(LBS)を使用することが多いですが、最近はポンドからキログラムに移行する航空会社が増えてきているようですね。

ポンド(LBS)

今ではアメリカとイギリスでしか使われることのない単位ですが、航空業界では今でも現役で使用されています。

キログラムとの関係は

  • 1LBS = 0.45359237kg

概算で“1LBS ≒ 0.5kg”と覚えている人が多いんじゃないでしょうか?

キログラム

最近は使用する単位をポンドからキログラムに置き換える動きが進んでいるようで、エアラインの多くは、重量計算をキログラムで行い、メーカーもそれに合わせてマニュアルを改定しているそうです。

ポンドとの関係は

  • 1kg ≒ 2.2046LBS

概算で“1kg ≒ 2LBS”と覚えている人が多いかと思いますが、燃料をこの計算で給油するととんでもないことになるので、計算尺や計算機を使用して正確に換算しましょう!

温度

飛行機は主翼に発生する揚力によって飛んでいるわけですが、揚力の大きさは速度だけでなく大気密度によって変化します。

一般的に大気密度は気温が低いほど大きく、逆に気温が高いほど小さくなるため、安全に効率よく飛行するためには、飛行経路の気温を知っておかなければいけません。

一般的には摂氏(セルシウス温度:℃)を使いますが、一部のアメリカ製の飛行機では華氏(フェレンハイト温度:℉)を使用します。

摂氏(℃)

一般的には

  • 水の凝固点を0℃、沸点を100℃として、その間を100等分したもの

とされていますが、日本の計量法での定義は

  • セルシウス度 = ケルビン = ボルツマン定数を 1.380649×10−23 J/K とすることによって定まる温度。
  • セルシウス温度 = ケルビンで表した熱力学温度の値から 273.15 を減じたもの

となっています。

華氏(℉)

華氏の定義はやたらと面倒で色々な説があるので、詳しいことはWikipediaの“華氏”のページを読んでください…。

摂氏と華氏の換算

摂氏と華氏を換算するためには、次のような換算式があります↓

  • 摂氏 ⇒ 華氏
    °C × 95 + 32 
  • 華氏 ⇒ 摂氏
    °F − 32 × 5

とはいえこの計算式で安産するのは非常に面倒…。

そこでよく使う温度帯の温度をある程度頭に入れておき、概算で換算できるようにしておくことをおすすめします。

摂氏 ⇒ 華氏

  • -40℃:-40℉
  • -30℃:-22℉
  • -20℃:-4℉
  • -10℃:14℉
  • 0℃:32℉
  • 10℃:50℉
  • 20℃:68℉
  • 30℃:86℉
  • 40℃:104℉

華氏 ⇒ 摂氏

  • -40℉:-40℃
  • -20℉:-28℃
  • 0℉:-17℃
  • 20℉:-6℃
  • 40℉:4℃
  • 100℉:37℃
  • 120℉:48℃

大体これくらい覚えておけば、少なくともに国内でフライトする分には困らないんじゃないでしょうか?

とりあえずはこれでおおよその温度をはじき出しておき、より正確な温度が必要になれば、スマホや電卓を使って計算しましょう。

まとめ

航空業界では日常生活ではなかなかお目にかからない様々な単位を使用します。

少しづつSI単位系に移行しているので、将来的にはフィートとノーティカル・マイル、ノット以外の単位は、一般的に使用される単位に置き換えられてくるとは思いますが、まだまだ先の話になりそうですね…。

とはいえ、これらの単位も使っていると自然に使えるようになってきますので、普段から使って体に馴染ませていきましょう。

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