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飛行機に加わる4つの力

グラウンドスクール

航空工学や航空力学の知識は、フライトシムで遊ぶ上ではほぼ不要ですが、多少なりとも知っていると、プレイの幅が広がります。

今回は飛行機に加わる4つの力について解説していきます

Table of Contents

飛行機の操縦は意外に簡単?

フライトシムで飛行機を離陸させ、目的地まで飛行して、飛行場に着陸させることは、実はそれほど難しい話でもありません。

最低でも

『スロットルを全開にすると飛行機が加速する』

『速度が乗ってきたところで操縦桿を引っ張ると離陸する』

『さらに操縦桿を引っ張れば機種が上向きになって上昇する』

『操縦桿を押し込めば機首が下がって降下する』

『操縦桿を倒す(回す)と左右に旋回する』

『スロットルを絞れば減速する』

くらいの知識があれば、フライトシムで飛行機を飛ばすことはできますし、理屈の上では本物の飛行機だって飛ばすことが出来ます。

さすがに本物の飛行機で安全かつ正確に飛行するためには、これらの操作の裏側にある力学的、あるいは工学的な知識がないといけませんが、フライトシムで飛行機を飛ばすときにもある程度の知識があって損はないでしょう。

最低でもこれから説明するベクトルの話が頭のどこかに残っていれば、より快適にフライトすることが出来るようになるはずです。

飛行機を支える4つのフォース(力)

『フォースと共にあらんことを』と言ったは、スタウォーズのオビ=ワン・ケノービですが、飛行機を飛ばすときにもフォース(力)は必要不可欠です。

といっても、パイロットがライトセーバー的な物で飛行機を浮かべているわけじゃないですよ。

ここでいうフォース(力)というのは

  • 重力
  • 揚力
  • 推力
  • 抗力

の4つの力のことです。

この4つの力をコントロールすることで飛行機を自由自在に操縦することが出来るわけですが、実は私たちも無意識のうちにこの力をコントロールして体を動かしているんです。

力の方向と大きさを表す“ベクトル”

人間の場合は揚力ではなく反力となりますが、飛行機と同じように常に4つの力が加えられています。

この力の大きさと方向を表す矢印を『ベクトル』と呼びます。

『立ち止まってる状態で推力と抗力が発生するの?』

なんて突っ込みが入りそうですが、ここは“前に倒れようとする力(推力)と後ろに倒れようとする力(抗力)が釣り合っている状態”と考えておきましょう。

地上で静止しているあらゆる物体は、この4つのベクトルが均等に釣り合っている状態です。

別の言い方をすれば

  • 4つベクトルが釣り合わないと静止することが出来ない
  • 4つベクトルの釣り合いを崩さなければ動きだすことが出来ない

とも言えるかもしれませんね。

ここで、人間が立ち止まっている状態から一歩踏み出して歩きだす場合を考えてみましょう↓

動き始めると推力が抗力を上回るのでベクトルのバランスが崩れ、前に歩き出すことが出来るようになります。

ここから走り出す場合は↓

抗力が推力を上回っているので、どんどんスピードがついていきます。

ある程度スピードが乗るとこれ以上速く走れなくなるので、一定のスピードに落ち着きますが、これをベクトルで説明すると↓

推力と抗力のベクトルが釣り合っている状態となります。

さらに走って疲れてくると走るスピードが遅くなってきますが、この状態は↓

抗力のベクトルが推力のベクトルよりも大きくなっていると説明することが出来ます。

飛行機が飛ぶときに発生する力も、これと同じようにベクトルを使って説明することが出来ます↓

飛行機が“一定の高度”を“一定のスピード”で飛んでいるときは、4つのベクトルが釣り合っている状態です。

逆の言い方をすれば、この釣り合いを崩すことが出来れば、飛行機は高度や速度を変えたり、旋回したり、自由に動き回ることが出来るということ。

飛行機の操縦とは、本質的にはこの4つのベクトルを操作することなんです。

だいぶ前置きが長くなりましたが、飛行機を飛ばすのに必要な4つの力(フォース)について説明していきましょう。

揚力

揚力は、飛行機を浮き上がらせるための力で、飛行機を飛ばすうえでは一番重要な力です。

これが無ければ飛行機が飛びあがることはできません!

揚力の発生の仕組みは、ベンチュリー効果やベルヌーイの定理などで説明することが出来ますが、

“揚力は翼の上側(上面)と下側(下面)の気圧差によって発生する”

と理解してもらえれば十分です。

ところで、翼に発生する気圧差は、飛行機の飛行速度に比例して増減します。

つまり、飛行速度が速くなるほど気圧差が増加し、反対に、飛行速度が遅くなるほど減少するわけです。

また、翼の断面形状や取り付け角度を変化させることでも、翼の上面と下面の気圧差を増減することが出来ますが、主翼に取り付けられているエルロンや、水平尾翼に取り付けられているエレベーターなどが、翼に発生する気圧差を飛行中に増減するための機構となります。

これらを飛行中に動かすとことで、翼に発生する揚力が増減して、一定の飛行速度を維持したままでも、飛行機を上昇させたり降下させたりすることが出来ます。

さらに、主翼の揚力を左右で異なる量にすることが出来れば、飛行機を旋回させることもできます。

これは、エルロンを左右で独立して動かすことで達成されます。

抗力

抗力は、飛行機に加わる空気抵抗です。

一般的には飛行速度に比例して抗力が増加していきますが、エルロンやエレベーターなどを動かすことでも増加します。

抗力が増加すると速度が低下するため、同時に揚力が減少してしまいますが、速度が下がれば空気抵抗が減少するため抗力も低下します。

燃費に直接影響する飛行中には邪魔になる力にですが、着陸するために減速する時にはなくてはならない大事な力です。

推力

推力は、飛行機を前に進めるための力で、主にエンジンの推進力によって発生します。

推力を増やせば飛行機が加速するので揚力が増加、反対に推力を減らすと抗力によって飛行機が減速して揚力が減少します。

これをうまく使えば、エンジンの出力を調整するだけで、上昇や降下が可能になりますね。

また、エンジンが2つ以上搭載されている飛行機の場合、左右の推力差を利用して、旋回することも理屈の上では可能です。

とはいえ、過去の航空事故のケースから判断すると、推力だけで飛行機を操縦するのはほぼ不可能といってもいいでしょうけどね…。

重力

重力は飛行機を地上に、より正確には地球の中心部に向かって引っ張る力です。

重力というよりも重量といったほうがイメージしやすいかもしれませんね。

重力として飛行機にかかる力は、飛行機の本体の重さ、乗客や貨物の重量、搭載している燃料の重量の合計となります。

飛行時間が長くなると、燃料の消費に伴って飛行中に徐々に重力が減少していくので、一定の高度を維持するために必要となる揚力も合わせて減少していきます。

このため、長距離を飛行する必要のある旅客機は、燃料の搭載量をリットルやガロンといった体積ではなくキログラムやポンドといった重量で計量し、飛行中の飛行機の総重量の変化が把握しやすいようになっています。

※旅客機の燃料の計量が体積ではなく重量となっている理由には『気温の変化で燃料が膨張・収縮するため、体積で計量すると正確な燃料の搭載量が把握できなくなる』というのもあります。

まとめ

地球上のありとあらゆる物体には

  • 推力
  • 揚力(反力)
  • 重力
  • 抗力

の4つの力が加えられています。

物体が静止している、又は一定の速度を維持したまま動いている状態は、この4つの力が等しく釣り合っている状態となります。

飛行機の場合も他の物体と同じように、常に4つの力が加わっていますが、他の物体と違い、重力に打ち勝つだけの揚力を発生することが出来ます。

また、飛行機が空中で自由自在に飛び回っているのは、4つの力の大きさと方向を自由自在に変えることが出来るためです。

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